保証料の方程式
今回の記事では保証料について解説していきたいと思います。
もし皆さんが住宅ローンでも教育ローンでも事業での融資でも借入を受けるとき、ほとんどの方が保証料というものを支払うことになるでしょう。
保証料といってるくらいなのでなんとなく、借金を返せなくなったときに保証してくれてるものと思っている方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?
もちろん保証されることに間違いはないのですが、保証される対象は債務者ではなく貸出を行っている債権者の方です。
詳しくはこのサイトを参照して頂きたいのですが、保証料とは債務者(借金をしている人)が債権者(銀行等)に対して返済ができなくなったときに保証している機関(保証会社や保証協会等)が代わりに債権者に一括で返済できる仕組みを構築しておくためにあります。
つまり保証料とは債務者ではなく、債権者を守るためにあるのです。なので、債務者がもともとの債権者(金融機関等)に返済できなくなったので債務がなくなるのではなく、債権者が銀行等から保証会社や保証協会に変っただけで債務がなくなるわけではありません。
保証会社や保証協会が元々の債務者に代わって金融機関に債務を一括で返済することを代位弁済といいます。
対して保証がついてない借入を金融機関ではプロパー融資といいます。
住宅ローンや消費性ローンでは各金融機関が利用している保証会社を、事業性の融資では各都道府県での保証協会に保証をしてもらうことになります。
債務者からすれば金融機関のために保証料を負担していることになります。金融機関にだけメリットがあって債務者は負担を負わされているだけと感じてしまいます。しかし、まわりまわって債務者に対してもメリットは出てきます。
仮に保証料の仕組みがなければ、金融機関は債務者に対して債務不履行で債権がなくなるリスクを負うことになるのでそれに合わせて高金利での貸出を余儀なくされることになります。
ここで保証をしてくれる機関があれば、金融機関は代位弁済で返済が全く返済されないというリスクは避けられるでの比較的金利を低く抑えることができます。
もちろんこれは
が前提となっています。ほとんどの債務者はこのメリットの恩恵を受けていると思います。
ただ保証付の融資を受けるにも保証する機関と金融機関の2重の審査を通過する必要があるので、本当にヤバい方は保証料すら払えないことになるでしょう。
さて、保証料についての説明は以上にして本題に移りたいと思います。
保証料の算出方法は保証会社や保証協会または借入方法(証書貸付か手形貸付など)によって異なります。
最近あった案件で以下のような問題に直面しました。
住宅ローンの借入金額を決定したい。建物・土地・その他諸費用はわかっているが保証会社の保証料は借入金額によって決定される。しかし、借入金額は保証料も含めた金額にしたいと考えている。
ここで保証料は以下のように算出される
は借入金額1万円に対する保証料
保証料も含めた借入金額を決定したいが、その保証料は借入金額によって決定されます。
具体的な例で考えていきましょう。
- 保証料以外の住宅資金(土地・建物・その他諸費用)の金額が18,000,000円
- 借入金額1万円に対する保証料
は120円
- 保証料も含めた借入金額を
円
と置きます。以上のことから方程式を作ると
となります。この方程式のについて解いていきましょう。
となり、保証料は
と求めることができます。以上のことを一般化していきましょう。
- 保証料以外の住宅資金(土地・建物・その他諸費用)の金額が
円
- 借入金額1万円に対する保証料は
円
- 保証料も含めた借入金額を
円
とすると借入金額を求める方程式は
で、保証料は
とすれば求めることができます。
今回は珍しく実務的な出来事で数学が役立ったので記事にしてみました。数学といっても非常に初歩的な方程式ですけど・・・
このように直面した問題を数式に置き換えて考えることはまた出てくると思いますので、今後もネタになりそうなことがあれば記事にしていきたいと思います。